ポリカーボネート外壁の施工方法とは?種類別のメリット・デメリット2025.09.30

ポリカーボネート外壁は、その軽量性と高い耐久性から、近年注目を集める外壁材となっています。
透光性が高いものもあり、デザイン性も高く評価されています。
しかし、施工には専門的な知識と技術が必要となるため、適切な手順を理解することが重要です。
今回は、ポリカーボネート外壁の施工方法について、具体的な手順と種類ごとの特徴を解説します。
Contents
ポリカーボネート外壁の施工方法
下地処理の手順
ポリカーボネート外壁の施工において、下地処理は非常に重要です。
まず、既存の外壁材を取り除き、下地となる構造材(木造であれば木材、鉄骨造であれば鉄骨など)を露出させます。
次に、下地材の汚れや腐食部分を取り除き、清掃します。
さらに、下地材に防腐・防カビ処理を施し、必要に応じて下地材の補強を行います。
この下地処理の丁寧さが、ポリカーボネート外壁の耐久性と寿命を大きく左右するといえます。
下地材の材質や状態に合わせて、適切な処理方法を選択することが求められます。
例えば、木材の場合は防腐剤の塗布、鉄骨の場合は錆止め塗料の塗装などが挙げられます。
また、下地材の平滑性も重要です。
凹凸があるとポリカーボネート板の取り付けに支障をきたすため、必要に応じてパテなどで平滑に仕上げる必要があります。
ポリカーボネート板の取り付け方
下地処理が完了したら、ポリカーボネート板の取り付けを開始します。
取り付け方法は、使用するポリカーボネート板の種類や形状、そして建物の構造によって異なります。
一般的には、ビス止めや専用の留め具を使用します。
それぞれの方法において、適切な間隔と締め付けトルクを守る必要があります。
ビス止めを行う場合は、ポリカーボネート板に予め穴を開けておくことが重要です。
穴を開けないと、板が割れる可能性があります。
また、ビスの材質や長さも重要で、ポリカーボネート板に適したものを選択する必要があります。
取り付けの際には、水平器などを用いて正確な位置を確認しながら作業を進めることが重要となります。
さらに、複数の板を繋ぎ合わせる場合は、専用のジョイント材を使用し、隙間なく綺麗に仕上げる必要があります。
ビス止めの注意点
ポリカーボネート板のビス止めは、施工の精度を大きく左右する重要な工程です。
ビスを締め付ける際には、過剰な締め付けは避けるべきです。
過剰な締め付けは、ポリカーボネート板に割れや変形を引き起こす可能性があるのです。
適切な締め付けトルクは、使用するビスの種類やポリカーボネート板の厚さによって異なります。
そのため、メーカーの推奨値に従うことが重要となります。
また、ビスの頭がポリカーボネート板に直接当たることで、板に傷が付く可能性があります。
そのため、ワッシャーを使用したり、ビスの頭が隠れるように設計された専用の留め具を使用するなどの工夫が必要です。
さらに、ビスを打ち込む位置も重要で、板の端部から適切な距離を保つ必要があります。
シーリング材の選び方と施工方法
ポリカーボネート板と下地材の間、あるいは複数のポリカーボネート板の接合部には、シーリング材を充填することで、防水性や気密性を高めることができます。
シーリング材を選ぶ際には、ポリカーボネート板との接着性、耐久性、耐候性を考慮する必要があります。
また、使用する場所の環境(温度や湿度)に適したシーリング材を選ぶことも重要です。
施工方法としては、まずシーリング材を充填する箇所の清掃を行い、汚れや埃を取り除きます。
それから、シーリング材をヘラなどで均一に塗布し、表面を滑らかに仕上げます。
最後に、シーリング材が完全に硬化するまで、時間が必要です。
硬化時間については、使用するシーリング材の仕様書を確認しましょう。

ポリカーボネート外壁の種類と特徴
中空ポリカーボネート板のメリット・デメリット
中空ポリカーボネート板は、板の中に空気を含んだ構造となっており、高い断熱性と保温性を備えています。
そのため、省エネルギー効果が期待できます。
また、軽量であるため、施工が容易であることもメリットといえます。
一方で、強度面では、同じ厚さの固形ポリカーボネート板に比べると劣ります。
さらに、中空構造のため、多少の変形が起こりやすい点にも注意が必要です。
衝撃に弱いというデメリットも抱えています。
波板のメリット・デメリット
波板は、その独特の形状から、高い強度と耐衝撃性を備えています。
また、コストパフォーマンスに優れていることもメリットです。
一方で、デザイン性の面では、平板と比べると劣ります。
また、波の形状によって、光の反射や影の発生などが起こる可能性があります。
そのため、設置場所によっては、これらの点を考慮する必要があります。
平板のメリット・デメリット
平板は、すっきりとしたデザインが特徴です。
そのため、モダンな外観を求める住宅などに適しています。
また、表面がフラットなため、清掃が容易です。
一方で、波板と比べると、強度が劣る可能性があります。
また、価格も、波板と比べると割高になる傾向があります。
そのため、予算と強度を考慮して選択する必要があります。
ポリカーボネート外壁の施工は、専門的な知識と技術が必要な作業です。
この記事で紹介した情報を参考に、安全に配慮しながら施工を進めてください。
不明な点がある場合は、専門業者に相談することをお勧めします。

まとめ
この記事では、軽量で耐久性、デザイン性に優れたポリカーボネート外壁の施工方法について解説しました。
施工では、下地処理や板の取り付け、シーリング処理といった各工程を丁寧に行うことが重要です。
また、中空板や波板、平板といった種類ごとの特性を理解し、用途に合わせて選ぶことも大切です。
ポリカーボネート外壁の魅力を最大限に引き出すために、専門の業者に相談してみてはいかがでしょうか。
株式会社ホームコート 代表取締役
平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。