土葺き屋根とは?基本とメンテナンス方法を解説2025.12.16

土葺き屋根は、その自然な素材感と伝統的な美しさで、特に歴史的な建造物やエコフレンドリーな建築に選ばれることが多いです。
この屋根の施工や維持には特有の技術が求められ、正しい手順と注意点を理解することが非常に重要です。
施工からメンテナンスまでのプロセスを詳細に解説することで、土葺き屋根を長持ちさせ、その魅力を最大限に引き出す方法を学びましょう。
Contents
土葺き屋根の施工手順
必要な材料を確認する
土葺き屋根を施工する前に、必要な材料を正確に理解し、準備することが最初のステップです。
主に用いられるのは、土、わら、木材、砂、水などです。
これらの材料は、屋根のサイズや地域の気候条件によって選ばれ、量も計算されます。
特に土の種類は、粘土含有量が高いものを選択することで、より強度と防水性を高めることが可能です。
下地の準備方法
下地の準備は土葺き屋根の施工で最も重要な部分の一つです。
通常、木材を使用して屋根の骨組みを作成し、その上に土を塗布するための基盤となるため、この骨組みは非常に丈夫である必要があります。
骨組みには防腐処理を施した木材を用い、適切な間隔で釘打ちすることで、全体の安定性を保証します。
土の配合と塗布技術
土の配合は、適切な強度と密着性を確保するために重要です。
土には砂とわらを混ぜ、適切な粘り気を出すために水を加えます。
この配合は地域の気候や土自体の質により微調整する必要があります。
配合後の土は、均一な厚さで屋根の下地に塗布され、滑らかな面を作るために丹念に仕上げられます。
仕上げと乾燥時間の管理
最後の工程は、塗布した土の表面を整え、十分な乾燥時間を確保することです。
表面は滑らかまたはわざと模様をつけることもあり、その後、屋根は自然乾燥させられます。
この乾燥プロセスは、気候に大きく依存するため、湿度が低い時期に施工するのが理想的です。

土葺き屋根のメンテナンス方法
定期的な点検の重要性
土葺き屋根は、定期的な点検を行うことで、長期にわたる保護と機能維持が可能になります。
点検では、屋根の表面に亀裂や剥がれがないか、水はちゃんと流れるかなどを確認し、問題があれば早期に対応します。
ひび割れや損傷の修復方法
土葺き屋根に見られるひび割れや損傷は、適切な土とわらの配合で修復することができます。
修復する際は、損傷部分を清潔にし、新しい土を均一に塗布して再度乾燥させることが必要です。
耐久性を高めるための補強策
耐久性を高めるためには、特定の補強材料を使用したり、屋根の傾斜を調整することが有効です。
また、定期的に耐水性を向上させるためのコーティング剤を塗ることも推奨されています。
適切な清掃と保護方法
土葺き屋根の清掃は、穏やかなブラシを使用して行い、強い水圧で洗い流すのは避けるべきです。
清潔を保つことで、藻やカビの発生を防ぎ、屋根の寿命を延ばすことができます。

まとめ
土葺き屋根の施工とメンテナンスは、適切な材料の選定から始まり、緻密な下地作り、正確な土の配合と塗布、そして丁寧な仕上げと十分な乾燥管理に至るまで、多くのステップを要します。
また、定期的なメンテナンスにより、その美しさと機能を長期にわたり維持することができます。
この記事が土葺き屋根を施工または維持する上での参考になれば幸いです。
株式会社ホームコート 代表取締役
平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。




