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破風板金の取り付け方!雨漏り対策も解説2025.12.22

破風板金の取り付け方!雨漏り対策も解説

建物の外観を美しく保ち、風雨から構造を守る上で、破風板金は非常に重要な役割を担っています。
特に、屋根の端に位置する破風部分は、雨水や強風の影響を受けやすく、適切な保護が不可欠です。
近年、DIYで住まいのメンテナンスを行う方が増えていますが、破風板金の交換や新規取り付けは、専門的な知識と技術が求められる作業でもあります。
しかし、正しい手順とコツを理解すれば、ご自身での施工も不可能ではありません。
今回は、DIYで破風板金を取り付けるための具体的な手順と、雨漏りを未然に防ぐための重要なポイントを詳しく解説していきます。

DIYで破風板金を取り付けるやり方

材料準備と採寸を正確に行う

DIYで破風板金を取り付ける作業を開始する前に、まずは必要な材料を正確に把握し、準備を怠らないことが極めて重要です。
一般的には、破風板金本体の他に、固定に使用するステンレス製またはガルバリウム鋼板製のビス、雨水の浸入を防ぐためのシーリング材、そして必要に応じて下地材となる木材などが挙げられます。
板金の種類や厚みは、建物の構造や地域の気候条件によって最適なものが異なりますので、事前に専門業者や金物店に相談し、適切な材質と寸法のものを選定してください。
次に、取り付け場所の採寸を徹底的に行う必要があります。
破風板金の長さはもちろんのこと、軒先やケラバといった屋根の形状に合わせて、正確な角度や曲がり具合をミリ単位で計測しなければなりません。
採寸が甘いと、板金の加工段階で誤差が生じ、取り付け時に隙間ができたり、無理な力がかかったりして、建材の破損や雨漏りの原因となりかねません。
メジャーやコンベックスを使い、定規や水平器なども活用しながら、慎重に実測値を確認し、記録しておくことが肝要です。

板金の加工と成形を適切に行う

採寸データに基づいて、準備した破風板金を建物の形状に合わせて加工・成形していく工程は、DIYにおける技術的な腕の見せ所であり、出来栄えを左右する重要なステップです。
板金のカットには、厚みや材質に応じた適切な工具を使用する必要があります。
薄手のガルバリウム鋼板であれば、金切りバサミやニブラーといった専用工具が適していますが、厚みのある材料や複雑な形状に切り出す場合は、金属用の刃を装着した丸ノコやジグソーを使用することも考えられます。
いずれの場合も、切断面のバリ(金属の破片)は、ヤスリやファイルで丁寧に除去し、怪我や二次的な損傷を防ぐようにしてください。
次に、建物の軒先やケラバの角度に合わせて板金を折り曲げる成形作業に移ります。
指や定規で単純に折り曲げるだけでは、きれいな仕上がりにはなりません。
金切りバサミやベンダーといった板金加工用の専用工具を用いることで、正確な角度でシャープな折り曲げが可能になります。
特に、屋根の勾配や軒の出具合に合わせて、微妙な角度調整が求められる場面が多く、経験が少ない場合は、事前に練習用の材料で試してみることを強く推奨します。
曲線部分の加工には、板金ハンマーや当て金などを使用し、板金に無理な負荷がかからないように注意しながら、徐々に形を整えていく必要があります。

既存構造へ確実に取り付け固定する

板金の加工と成形が完了したら、いよいよ既存の建物構造へ実際に取り付け、しっかりと固定する作業を行います。
この工程での不備は、強風による剥がれや雨漏りの直接的な原因となるため、細心の注意を払う必要があります。
まず、破風板金を取り付ける対象となる下地材(通常は木材)の状態を確認し、腐食や劣化が見られる場合は、事前に補修または交換を行ってください。
下地材が健全であることを確認したら、加工済みの破風板金を仮当てし、全体の収まり具合や既存の屋根材との干渉がないかを慎重にチェックします。
問題がなければ、固定作業に移ります。
板金材を貫通させて下地材にビスで固定する際には、適切な長さと太さのビスを選び、下穴を事前に開けておくことが重要です。
下穴を開けることで、ビスがスムーズにねじ込まれ、木材の割れを防ぐことができます。
ビスの間隔(ピッチ)は、板金の強度や地域の風荷重を考慮して決定しますが、一般的には15cmから20cm程度の間隔で均等に配置するのが目安です。
板金同士が重なり合う部分や、建物の角部分など、特に強度が必要な箇所には、ビスの本数を増やすなどの工夫を施してください。
また、ビスを打ち込む際は、板金が歪まないように、均等な力で垂直に打ち込むことを心がけてください。

破風板金で雨漏りを防ぐコツ

板金の重なり幅と水切りで水の浸入を防ぐ

破風板金を取り付ける上で、雨漏りを確実に防ぐためには、水が浸入しないような構造を理解し、それに沿った施工を行うことが不可欠です。
特に重要なのが、板金同士の重なり幅の設定と、水切り部分の適切な処理です。
雨水は常に高いところから低いところへ、そして外側へと流れる性質を持っています。
この水の流れを考慮し、板金を重ねる方向は、雨が当たる面を下側にして、その上に次の板金が重なるように配置するのが基本です。
重なり幅は、一般的に10cm以上確保することが推奨されますが、屋根の勾配や地域によっては、より広い幅が必要となる場合もあります。
この重なり部分で、雨水が下地の木材や壁内部へと浸透するのを効果的に防ぎます。
また、軒先やケラバといった屋根の端部には、雨水をスムーズに誘導し、外壁への伝い降りや浸入を防ぐための「水切り」と呼ばれる部材を設置します。
破風板金自体が水切りとしての役割を果たす場合もありますが、必要に応じて別途水切り金物を取り付け、板金との間に隙間が生じないように密着させることが重要です。

ビス穴の処理とシーリングを徹底する

破風板金を取り付ける際に使用するビスは、板金を固定するために不可欠な部材ですが、同時に雨水の浸入口となり得る弱点でもあります。
そのため、ビス穴からの雨水の浸入を確実に防ぐための処理を徹底することが、雨漏り防止の観点から極めて重要となります。
ビスを打ち込んだ後は、必ずその頭部を防水性の高いシーリング材で覆う必要があります。
使用するシーリング材は、耐候性・耐久性に優れたシリコーン系や変成シリコーン系などが適しています。
ビス穴の周りにシーリング材を適量充填し、ヘラなどを使って表面を均一に平滑に仕上げることで、雨水がビス穴に溜まったり、毛細管現象によって内部に吸い上げられたりするのを防ぎます。
シーリング材の充填が不十分であったり、表面が荒れていたりすると、そこから雨水が浸入するリスクが高まるため、丁寧な作業が求められます。
また、ビスを打つ位置を工夫することも有効です。
例えば、板金同士が重なり合っている部分の下側にビスを打つことで、ビス穴が直接雨に晒される機会を減らすことができます。

継ぎ目の処理で水密性を高める

破風板金は、建物の形状に合わせて複数の部材を接合して施工されることが一般的です。
これらの板金同士が接合する「継ぎ目」の部分は、構造上、雨水が浸入しやすい箇所となり得るため、水密性を高めるための適切な処理が不可欠です。
まず、継ぎ目部分では、前述した重なり幅を十分に確保することが基本となります。
重ね代を設けることで、雨水が継ぎ目から直接下地へと流れ込むのを物理的に防ぎます。
さらに、重ね代の部分に防水テープを貼ったり、シーリング材を充填したりすることで、より強固な防水性能を発揮させることができます。
特に、雨掛かりが多くなる屋根の端部や、風の影響を受けやすい箇所においては、継ぎ目の処理は念入りに行う必要があります。
シーリング材を使用する際は、板金表面の汚れや油分を十分に除去し、プライマーを塗布してからシーリング材を充填すると、接着力が高まり、剥がれや劣化を防ぐ効果が期待できます。
経年劣化によって継ぎ目に微細な隙間が生じる可能性も考慮し、定期的な点検と必要に応じたメンテナンスを行うことも、長期的な雨漏り防止につながります。

まとめ

DIYによる破風板金工事は、建物の耐久性向上に寄与する重要なメンテナンス作業であり、丁寧な施工が求められます。
本稿で解説したように、材料の準備から精度の高い採寸、そして板金の適切な加工・成形、確実な取り付け固定に至る一連の工程を理解し、実践することが成功の鍵となります。
また、雨漏りを未然に防ぐためには、板金の重なり幅の設定、水切りの活用、ビス穴や継ぎ目部分へのシーリング処理といった、防水対策に関するコツを確実に押さえることが極めて重要です。
ご自身の住まいを守るため、自信を持って、そして安全に留意しながら、この挑戦に取り組んでみてください。



記事の監修者
馬場利久(ばば としひさ)

株式会社ホームコート 代表取締役

平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。