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外壁の凍害とは?火災保険適用で補修費用をカバーできる?2025.01.26

外壁の凍害とは?火災保険適用で補修費用をカバーできる?

外壁にひび割れや剥がれを発見し、それが凍害によるものかどうか、そして火災保険が適用されるのかどうか、悩んでいませんか? 凍害は、特に寒冷地で起こりやすい外壁の損傷ですが、適切な知識があれば、被害を最小限に抑え、保険申請にも対応できる可能性があります。
今回は、外壁凍害のメカニズムや症状、火災保険の適用範囲について、分かりやすく解説します。

外壁の凍害の基礎知識

凍害とは何か

凍害とは、外壁材に含まれた水分が凍結と融解を繰り返すことで、外壁材が劣化していく現象です。
気温の低下によって水分が凍ると体積が増加し、外壁材に内部からの圧力がかかり、ひび割れや剥がれなどの損傷を引き起こします。
この凍結と融解のサイクルが繰り返されることで、損傷は徐々に拡大していきます。
特に寒冷地では、冬場の凍結と春の融解が繰り返されるため、凍害が発生しやすいです。

凍害のメカニズム

外壁の表面が経年劣化などで保護機能を失うと、雨水や湿気が外壁内部に浸入します。
浸入した水分は、気温が氷点下になると凍結し、体積が膨張します。
この膨張によって外壁材内部に圧力がかかり、ひび割れや剥がれが発生します。
さらに、ひび割れた部分からさらに水分が浸入しやすくなり、凍害は進行していきます。
このサイクルが繰り返されることで、外壁の劣化は加速します。

凍害が発生しやすい場所

凍害は、水分が滞留しやすい場所や、気温変化が激しい場所に発生しやすい傾向があります。
具体的には、屋根、外壁の目地部分、水回り(浴室、トイレ、キッチンなど)が挙げられます。
これらの場所は、雨水や湿気が溜まりやすく、凍結・融解によるダメージを受けやすいからです。
また、日陰になっている場所や、通気が悪い場所も凍害が発生しやすいです。

凍害による被害の種類と症状

凍害による被害は、ひび割れ、塗装の剥がれ、外壁材の剥離など様々です。
ひび割れは、細かいクラックから大きな亀裂まで、様々な大きさで発生します。
塗装の剥がれは、凍結による圧力によって塗膜が剥がれる現象です。
外壁材の剥離は、外壁材自体が剥がれ落ちる現象で、深刻な被害につながる可能性があります。
これらの症状は、初期段階では目立たない場合もありますが、放置すると被害が拡大し、大規模な修繕が必要になることもあります。

外壁の凍害と火災保険

火災保険の適用範囲

火災保険は、火災だけでなく、風災、雪災、雹災など、様々な自然災害による損害を補償対象とする場合があります。
しかし、凍害が補償対象となるかどうかは、保険契約の内容によって異なります。
契約約款をよく確認し、凍害が補償対象に含まれているかどうかを確認することが大切です。
また、凍害が経年劣化によるものと判断された場合は、補償されない可能性があります。

凍害が火災保険の適用対象となるケース

凍害が火災保険の適用対象となるのは、突発的な自然現象によって発生したと認められる場合です。
例えば、記録的な寒波による急激な気温低下で発生した凍害であれば、保険が適用される可能性があります。
ただし、保険会社による審査が必要となり、申請手続きに際しては、被害状況を正確に記録し、必要な書類を提出する必要があります。

凍害が火災保険の適用対象とならないケース

凍害が経年劣化によるものと判断された場合、または、適切なメンテナンスが行われていなかったことが原因と判断された場合は、火災保険の適用対象外となる可能性が高いです。
また、保険契約約款に凍害が明示的に除外されている場合も、適用対象外となります。
保険適用を検討する際には、専門家への相談も有効です。

火災保険申請に必要な書類と手順

火災保険の申請には、保険証券、被害状況の写真、見積書、工事報告書などが必要となります。
具体的な書類や手順は、保険会社によって異なりますので、加入している保険会社に確認することが大切です。
申請手続きは、専門業者に依頼することも可能です。

外壁凍害補修費用と火災保険の関係

外壁凍害の補修費用は、被害の程度によって大きく異なります。
軽微な被害であれば、数万円で済む場合もありますが、大規模な被害の場合は、数百万円以上かかることもあります。
火災保険が適用される場合は、保険金で補修費用の一部または全額をまかなえる可能性があります。
しかし、保険金が支払われるかどうかは、保険会社の審査によって決定されます。

まとめ

この記事では、外壁凍害のメカニズム、発生しやすい場所、症状、そして火災保険の適用可能性について解説しました。
凍害は、放置すると被害が拡大し、多額の修繕費用が必要となる可能性があります。
早期発見と適切な対応が重要です。
火災保険の適用については、契約内容や被害状況によって判断が異なるため、保険会社への確認が必要です。
疑問点があれば、専門家への相談も検討してください。
日頃から建物の状態をチェックし、定期的なメンテナンスを行うことで、凍害のリスクを軽減することができます。
適切な知識と対応で、大切な住まいを守りましょう。



記事の監修者
馬場利久(ばば としひさ)

株式会社ホームコート 代表取締役

平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。