外壁凍害の原因とは?劣化を防ぐ対策と予防策2025.01.30

外壁の凍害、その原因をご存知でしょうか? 寒さが厳しくなる季節、外壁に現れるひび割れや剥がれは、深刻な問題のサインかもしれません。
放置すると、建物の耐久性を損ない、大きな修繕費用を招く可能性も。
今回は、外壁凍害の原因と、その対策について分かりやすくご紹介します。
Contents
外壁凍害の原因を徹底解説
凍害とは何か
凍害とは、外壁材の内部にある水分が凍結・融解を繰り返すことで、外壁材が破壊される現象です。
水分が凍ると体積が増加し、外壁材内部に圧力がかかります。
この圧力によって、ひび割れや剥がれ、そしてコンクリートの表面が剥がれ落ちる「ポップアウト現象」などが発生します。
特に、コンクリートやセメントを主成分とする窯業系サイディングは凍害を起こしやすい素材として知られています。
水分が凍結・融解を繰り返すメカニズム
外壁に水分が浸入し、気温が氷点下になると凍結が始まります。
氷は水よりも体積が大きいため、外壁内部に圧力がかかり、微細なひび割れが生じます。
気温が上昇して氷が融けると圧力は解放されますが、この凍結と融解の繰り返しによって、ひび割れは拡大し、最終的には外壁材の剥離や破損につながります。
このメカニズムは、外壁材の種類や状態、気候条件などによって影響を受けます。
経年劣化と塗膜の役割
外壁の塗膜は、水分や紫外線などの外的要因から外壁材を守り、凍害の発生を抑制する重要な役割を果たします。
しかし、経年劣化によって塗膜が剥がれたり、ひび割れたりすると、水分が外壁材内部に浸入しやすくなり、凍害のリスクが高まります。
定期的な塗装メンテナンスは、塗膜の機能を維持し、凍害を防ぐ上で非常に重要です。
外壁の種類と凍害の関連性
外壁材の種類によって、凍害に対する耐性には差があります。
特に、セメント系材料を使用している窯業系サイディングは、水分を吸収しやすく、凍害が起こりやすいと言われています。
一方、金属系サイディングや樹脂系サイディングは、水分を吸収しにくい特性を持つため、凍害に対する耐性が高い傾向があります。
凍害が発生しやすい場所
凍害は、外壁全体に発生する可能性がありますが、特に水回り(浴室、キッチン、洗面所など)、北側など日当たりが悪く湿気がこもりやすい場所、そして外壁の継ぎ目などは発生しやすい場所です。
これらの場所は、水分が滞留しやすく、凍結・融解が繰り返されやすいからです。
また、水切り板金やコーキングの劣化している箇所も要注意です。

外壁凍害を防ぐための具体的な対策
定期的な外壁点検の重要性
外壁の凍害は、初期段階では小さなひび割れや剥がれとして現れることが多く、気づきにくい場合があります。
そのため、定期的な点検を行い、早期発見・早期対処が重要です。
専門業者による点検では、目視では確認できない内部の劣化状況も把握できます。
適切な外壁塗装のタイミング
外壁塗装は、凍害対策に非常に有効です。
塗膜は、外壁材への水分浸入を防ぎ、凍害の発生を抑制します。
一般的には、7~10年を目安に塗装を行うことが推奨されていますが、地域や気候条件、外壁材の種類などによって適切なタイミングは異なります。
凍害対策に有効な外壁材の選び方
新築時や外壁リフォームの際には、凍害に強い外壁材を選ぶことが重要です。
水分を吸収しにくい金属系サイディングや樹脂系サイディングは、凍害対策に有効です。
また、近年では、凍害に強い素材や構造を持つ窯業系サイディングも開発されています。
水分の浸入を防ぐ工夫
外壁への水分の浸入を防ぐ工夫も重要です。
雨樋や排水溝の詰まりがないか、定期的に確認し、必要に応じて清掃や修理を行いましょう。
また、破風板や軒天などの劣化も、水分の浸入経路となるため、定期的な点検が必要です。
凍害の早期発見と対処法
凍害を発見したら、放置せずに早急に専門業者に相談しましょう。
初期段階であれば、部分的な補修で済む場合もありますが、進行が進んでしまうと、大規模な修繕が必要になる可能性があります。
専門業者による適切な診断と、的確な対処が必要です。

まとめ
外壁の凍害は、水分と経年劣化が主な原因です。
凍結・融解の繰り返しによって外壁材が損傷し、ひび割れや剥がれなどが発生します。
定期的な点検、適切な外壁塗装、凍害に強い外壁材の選択、そして水分の浸入防止が、凍害を防ぐための有効な対策です。
早期発見と専門業者への相談が、被害拡大を防ぎ、修繕費用を抑えることにつながります。
寒さが厳しくなる前に、ご自宅の外壁をチェックし、必要であれば専門家のアドバイスを受けましょう。
株式会社ホームコート 代表取締役
平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。