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凍害で外壁が破損!サイディングの補修と予防策2025.02.04

凍害で外壁が破損!サイディングの補修と予防策

外壁のひび割れ、剥がれ… もしかしたら、それは「凍害」かもしれません。
特に冬場の寒暖差が激しい地域では、窯業系サイディングの外壁に凍害が発生するリスクが高まります。
放置すると、外壁の劣化だけでなく、建物の構造にも影響を及ぼす可能性も。
今回は、凍害の原因やメカニズム、そして予防策や補修方法について、分かりやすくご紹介します。
ご自身の家の外壁の状態を確認し、適切な対処法を選んでいただくためのお手伝いができれば幸いです。

サイディングの凍害の原因とメカニズム

水の浸入経路とは?

凍害は、外壁材に水が浸入することで発生します。
主な浸入経路は、外壁の目地部分のシーリングの劣化やひび割れ、窓サッシ周辺の隙間、破損した塗装などです。
雨水や融雪水がこれらの隙間から浸入し、外壁材内部に蓄積されます。
特に、北側や雨風の当たりやすい場所では、浸水リスクが高まります。

凍結融解の繰り返しによる影響

浸入した水分は、気温が氷点下になると凍結します。
水が氷になると体積が約10%増加するため、外壁材内部に圧力がかかり、ひび割れや剥離を引き起こします。
そして、昼夜の気温差によって凍結と融解を繰り返すことで、このダメージが蓄積され、外壁材が徐々に破壊されていきます。
この繰り返しが、凍害の主な原因です。

凍害が発生しやすい外壁材の特徴

凍害が発生しやすい外壁材として、窯業系サイディングが挙げられます。
窯業系サイディングは、セメントと繊維質を混ぜて作られており、吸水性があるため、水分が内部に浸透しやすい性質を持っています。
そのため、塗装の劣化などによって防水性が低下すると、凍害が発生しやすくなります。
コンクリートやモルタルの外壁も、同様に凍害が発生しやすいと言われています。

サイディングの凍害の予防と対処法

定期的な点検とメンテナンスの重要性

凍害を予防するには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
外壁のひび割れやシーリングの劣化、塗装の剥がれなどを早期に発見し、適切な処置を行うことで、凍害の発生を抑制できます。
特に、冬が来る前に点検を行うことをお勧めします。
セルフチェックに加え、専門業者による定期点検も有効です。

適切な塗装による防水対策

外壁塗装は、凍害予防に非常に効果的です。
高品質な塗料を使用し、適切な塗装を行うことで、外壁材への水の浸入を防ぎ、凍害の発生リスクを低減できます。
塗装の際には、下地処理をしっかり行うことも重要です。
また、塗装の塗り替え時期を適切に判断することも大切です。
チョーキング現象(塗膜が劣化し、指で触ると粉状のものが付く現象)が見られる場合は、塗り替えのサインです。

凍害が発生した場合の対処法

凍害が発生した場合の対処法は、凍害の程度によって異なります。
軽微な場合は、ひび割れ部分の補修や塗装で対応できる場合もありますが、重症の場合は、サイディングの張り替えが必要となることもあります。
米粒程度の剥がれであればDIYで補修できる場合もありますが、内部にまで凍害が進行している可能性もあるため、専門業者への相談が安全です。

専門業者への相談

凍害の程度が不明な場合や、DIYでの補修に不安がある場合は、専門業者に相談することをお勧めします。
専門業者は、凍害の状況を正確に判断し、適切な補修方法を提案してくれます。
また、火災保険の適用についても相談できます。

まとめ

凍害は、外壁材への水の浸入と凍結融解の繰り返しによって発生する劣化現象です。
窯業系サイディングは凍害が発生しやすいので、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
ひび割れや塗装の剥がれを発見したら、早急に補修を行いましょう。
軽微な場合はDIYで対応できる場合もありますが、専門業者に相談することも検討してください。
適切な予防策と早期の対応で、建物の寿命を延ばし、安全に暮らせる環境を守りましょう。
火災保険の適用についても確認することをお勧めします。



記事の監修者
馬場利久(ばば としひさ)

株式会社ホームコート 代表取締役

平成5年より外壁塗装業界に入る。
赤外線建物診断技能士、サイディング塗替診断士の資格を所有。
新潟県新潟市を中心に15,000件以上の施工実績を持つ。
「出会いに感謝」をモットーに、高品質かつ丁寧な施工を行っている。